序章 |
序文 |
その日。 空よりも高い場所から、機械の軍団がやって来た。 陽光を遮る巨躯、地を覆う巨大な影。 見た事もない金属で出来た、見た事もない造形の物体。 物言わず空に留まる機械は、天より大地を、人々を見下ろす。 金属の体躯に嵌め込まれた巨大な宝珠を、まなこのように瞬きながら。 その日。 人々は恐れ戦く。 新たに空に飛来する、機械の軍団。 光線を発し、爆弾を撒き散らし、突如、始まる侵略。 人々は抗った。 炎をぶつけ、雷を降らせ、斬り裂き、殴りつけても。 天を塞ぐ巨大な身体には、傷の一つも付けられなかった。 その時。 一条の光が奔る。 巨躯の一陣が翻り、その身に備えた銀杖より放つ眩い光。 同胞に向けられた光条は、宝珠を撃ち抜き天を彩る。 やがて、陽が傾ぐ頃。 侵略者は朱色に染まり行く空に潰えた。 過ぎ去った危機。 歓喜と困惑に満ちる地上。 天には悠々と、銀色の巨影が浮かぶ。 |
始章 |
天地邂逅 |
一夜にして変容を遂げる街並。 惑星に根ざす六つの大都市は、協議の結果、宇宙よりの来訪者らを受け入れると宣言する。 始まる復興、手探りの共栄、交わる思惑。そして―― |
本章 |
銀河燦然 |
底の知れぬ深遠の黒。 上下も無く、延々と広がる暗黒の宇宙。 地表を遠く望む、成層圏にての実践訓練中、俄に揺れる漆黒の景色。 それは、侵略者出現の前兆に他ならなかった。 |
夢幻幾何 |
文化の交流は、やがて、知識の交流へ。 異星の技術に興味を示す者は日増しに増え、魔術と科学の融合は、鈍足ながらも着実に進む。 そんな最中、遂にもたらされる、侵略者襲来の報…… |
惑星謳歌 |
来訪者との邂逅より、激変を続ける惑星。 だが、変わらぬ日常もまた、そこにある。 侵略者とはまた違う、古来より地上に在り続ける脅威。 荒野に、砂漠に、山岳に。 のどかな光景のすぐ隣で、魔物との戦いが、今日も始まる。 |