銀河燦然 |
序節 |
上下、という概念は、今居る場所に於いては、正確ではないやも知れぬ。 さりとて、まだ幾ばかりか強く働く惑星の引力が、青く澄んだ薄い大気の層を、己が領内であると主張している。 あと一歩、天へ踏み出せば、そこはもう惑星の外――宇宙空間。 惑星ティーリアの成層圏。いつもより少し、母なる大地に近いその場所で。 彼らは、護るための力を磨く。 惑星ティーリアに、機動生命体と異星人――来訪者らが訪れてから、早数ヶ月。 いつ何時、と怖れられていた侵略者の襲撃は、未だ音沙汰なく。 だが、地上の者も来訪者らも、危機感が色褪せることをよしとはせず。新鋭の対抗組織『機動魔閃護撃士団』主導の元、日々、侵略者から惑星を護る為の鍛錬に臨み、戦う力を蓄えていた。 本日もまた、滞りなく行われる高空にての実戦訓練。指導者が増えたことで訓練を催す回数は次第に安定の兆しを見せ、当初はちぐはぐであった集団戦闘も、段々と様になりつつある。 噴気孔から炎を吐き出し、天を掛ける巨躯。 その内側で、黒と青、目まぐるしく移ろう景色を見遣る者達。 光条が飛び交い、金属の弾丸が爆ぜ、爆炎が流星となって、眼下の青い空に散る。 訓練を重ねて来た者には、ある種、見慣れた光景。 しかし…… 初めに異変に気付いたのは、誰であったか。 不意に、機動生命体らの間を駆け巡る、精神感応。 繋がり合う波長は蜘蛛の巣の如く縦横無尽に、瞬く間に訓練生らへと行き渡った。 全機と、そこに搭乗する全員が、一斉に注意を向けた先。 仄青い二つの太陽が輝く、そのすぐ側が、不自然に揺れていた。 陽炎のような揺らぎ。遠方に見える大小様々な星も、あるものは細長く、あるものは細切れて、歪んだ空間の中にさざめく。 再びに、訓練生の間を駆ける思念。 二度目の精神感応で知らされた事実。それは、あの揺らぎが、空間跳躍の証であること、そして、『侵略者』出現の前触れであるということだった。 侵略準備が整ったのだろうと、誰かが言った。 最初の遭遇から数ヶ月。一切の音沙汰がなかった、それは即ち、戦力の準備に時間を掛けていたということ。 大規模戦力全てを空間跳躍で送り込む為には、如何な母星圏の力を持ってしても、一筋縄とはいかない。故に、比較的転送の容易な小型艇を先遣として、段階的に戦力が送り込まれてくるだろう――離反のその瞬間まで侵略者であった機動生命体の一体は、そう語る。 唐突に上がる戦いの幕。 『真打』の出現までに残された、僅かな猶予。 惑星ティーリア防衛、その初陣が、始まろうとしていた。 |
文末 |
次回行動指針 |
G1.先制攻撃だ G2.今のうちに大物迎撃準備 G3.敵勢力情報の収集を優先 |
登場しなくてもその辺に居そうなNPC |
雷旋(らいぜん)/機動空母艦アテレクシア(きどうくうぼかん-)/雅峰(まさみね)/ペテリシコワ・ホクサーニ |
マスターコメント |
ようこそCOREの世界へ。 本シナリオの主な舞台は宇宙空間。侵略者との戦闘を主とした、往年のシューティングゲームのような展開を予定しております。 とはいえ、アクション如何では、全く異なる展開へと辿り着くやも知れません。 宇宙が無限であるように、このシナリオの行く末もまた、発想力次第で無限に広がってゆくのです。 ……と、格好いいことを言っておきます。 それでは、CORE第一面、開幕です。 PRESS START BUTTON |