惑星ティーリア
概要 クリックで拡大 『魔鋼(まこう)』と呼ばれる特殊な鉱石を含有した惑星。
魔鋼から発せられるエネルギー『魔力』によって『魔術』という超常現象を引き起こすことができ、他の惑星には存在しない稀有な文明を築いている。
太陽に類する恒星は非常に遠くにあり、地上から見ると他の星々よりも若干大きく見える程度。連星であるため二つの光が等間隔で並びながら天を周回しているように見える。また、色は若干青み掛かっているが強い光を発しており、距離の割には昼は十分に明るい。
月に相当する衛星はない。但し、ティーリア自身もまた連星であり、巨大な暗い球体が昼や夜に空を横切る様を見ることができる。連星側には空気が存在しないため生物は生存していないが、地殻に魔鋼を含有しているらしく、連星が空に浮かんでいる間は若干ながら魔力が高まる。
東方、西方、中央、北東、南方、北方の六つの大陸からなり、海洋を主とした水資源が豊富。気候は土地によってまちまち。季節のある場所もあれば、全く変化のない場所もある。
放浪中の機動生命体とその同行者(異星人)らの訪問を受けると同時に、離反者(放浪団)の追跡に当たっていた機動生命体(刺客)によって侵略行為を受けた。
各地に大きな被害を受けながらも、最初の襲撃は放浪団の活躍により撃退。放浪団から事情説明を受けた各都市代表による協議の結果、放浪団の滞在を認め、手探りの共存が始まることとなった。
惑星ティーリア-文化様式
文化様式 教育
都市圏ほど洗練され効率的な魔術を使用する者が多く、辺境ほど生活に根ざした我流の魔術を使う者が多い。
魔術を扱えることが当たり前である為、必然的に各種教育機関による教育内容も魔力を高めるものに偏りがち。都市圏では特にその傾向が顕著で、魔力が高く魔術の扱いに長けているほど、様々な優遇措置が得られる。昨今になって都市圏での魔術受験や英才教育が過熱化しつつある。
辺境では魔物の脅威から身を守る為や、作物の収穫率を上げる為など、実用的な魔術の需要が高く、教育も主に家庭内で行われる。また、土地や家系によって代々受け継がれてきた特別な魔術を所有していることが多い。
魔術の発動補助に呪文や印を用いる事があるが、それらから派生させた言語と文字が公用語として使用されているため、ティーリア住人同士であればおおよそ誰とでも意思疎通ができる。
貨幣
都市部では通貨となる貨幣が出回っているが、紙幣は存在せず、硬貨も細長い棒のような形をしている。辺境地区は物々交換が殆ど。
就業
辺境では、狩猟や農耕、畜産に加えて、魔物狩りを専門とする傭兵職が大部分を占める。
都市部であれば教育機関や研究機関が充実している為、教員や研究員なども多く見られる。都市が独自に組織した対魔物専門部隊である『騎士団』への所属者も多い。
その他、飲食に関わるサービス業や、娯楽に携わる芸能職も人口に比例して増えていく傾向にある。犯罪の増加もそれに比例しており、騎士団が警察機構に似た役割を果たすこともある。
技術
文化水準の割には複雑そうな技巧が多用されている。魔力をエネルギー・動力として使う、のではなく、魔術によって『このように動け』と物に挙動を刻んでしまうことが殆どであるため、簡素な作りで妙に複雑な動きをする道具が溢れ返っている。また、高層建築なども魔術を用いれば建造が容易く、都市部には高く重厚な建造物が目立つ。
限定的で複雑であるほど魔術による再現は難しく、更には魔術を物体に対し半永久的に固定する事は困難を極める。故に、それらが可能な魔術師は『職人』と呼ばれ、魔術文明には欠かせない人材として重用されている。
『機構』部分を魔術で賄ってしまうがために、『こう動く術が掛かっているのだからこう動くんだ』といった考えが横行しており、具体的因果関係について疑問を抱くことが殆どない。原因究明よりも対処療法に力を注ぐ傾向が強く、技術力が高いと称するには少々疑問な状態。
惑星ティーリア-都市・街
都市・街 始まりの街『グリンホーン』
中央大陸南部にある渓谷の末端に位置する港町で、渓谷深部に進むには必ず通らなければならないことから、始まりの街と呼ばれている。
六つの大陸の丁度中央に位置し、他大陸から船舶移動する際には必ず寄港することになる。その為、物流拠点にもなっており、商業都市じみた様相を呈している。別名『海の交差点』。
渓谷を形成する山裾から海にまで張り出た岬と、それに囲まれた大きな港湾が特徴。港湾内には『大桟橋(だいさんばし)』と呼ばれる大構造物があり、大小様々な船舶が停泊、他都市に類を見ない賑わいを見せる。
海産物は当然のこと、『魔鋼原石』を含む様々な仲買い市場が発達しており、ここで卸されたものが各地へ出回って行くことになる。
襲撃の際に一度は破壊された大桟橋も既に修繕が終わり、今はかつての賑わいを取り戻している。被害を受けた街の中で、真っ先に復興を遂げたことからも、街の活力が窺える。
つい最近、街外れの山裾に、物資運搬を目的とした、機動生命体(輸送艦)用発着場が整備された。
山岳都市『ダスラン』
グリンホーンから渓谷を越えて更に進んだ先にある。
隔絶された環境であり、グリンホーンからの物流が命綱。
居住には適さないが、世界有数の『魔鋼鉱脈』があり、その採掘の為に作られた、いわば労働都市。
魔鋼鉱脈から産出される魔鋼の採掘量は数ある鉱脈の中でも随一。 原石の純度が低く精製を必要とする手間を差し引いても、鉱山としての重要性は十二分。 碧京と並び、世界二大鉱脈の一つとされている。
高地の山中に位置し、周辺を更に高く険しい山に囲まれて居ることから、他都市への直接輸送が非常に難しく、魔鋼の卸売りを唯一の交易先であるグリンホーンに長らく依存していた。
機動生命体の登場で若干ながらも空輸による直接輸送が可能となり、新たなビジネスの気配に街が俄に活気付いている。
機構都市『ツァルベル』
『機構都市』の名に恥じぬ職人の街。中央大陸と山を隔て隣接する北東大陸東部に位置する。
世界に名を馳せる数多の職人魔術師が数多く在席、または輩出された地であり、魔術研究の総本山『オルド・カーラ魔術院』の本部があることでも有名。
惑星ティーリア最高峰を誇る山脈を背景に、歴史を感じさせる重厚な街並が特徴。都市中心部には学術研究期間が密集。貴族街や政治機関などがその周辺に配置されているという状況からも、都市内での魔術院の影響力が垣間見える。
魔鋼の加工、魔器・魔具製造などの一大産業地であり、都市防衛用巨大魔器『守護塔』の建造に成功した最初の都市。世界各地に配置されている『守護塔』は九割がツァルベル、及び、魔術院所属の職人魔術師の手によるもの。
ツァルベル自身は八本もの守護塔を備え、八方角の頂点に設置されたそれらを連結動作させることで、都市全体を強力な結界で防護している。最初の襲撃では、守護塔三本の崩壊と引き換えに、街そのものへの被害を皆無に抑えた。一本は既に完全復旧、残る二本も仮復旧が完了し、調整期間に入っている。
八本の守護塔にはそれぞれ、歴史上偉大な八人の大魔導師の名が付けられている。最近になって、塔の復旧に尽力した術士の名を冠す九本目を建造してはどうか、という話が持ち上がってきた。
砂漠商都『シェハーダタ』
砂漠にあるオアシス都市。
商都の名が示す通りに栄える、商人の街。海のグリンホーン、砂漠のシェハーダタと並び称される、陸上最大の物流拠点。
六大陸でもっとも巨大な南方大陸のほぼ中央に位置。大砂漠を跨ぎ方々へ移動する際の中継地として設営されたのが始まりで、現在では砂漠地帯には無くてはならない大規模な物流拠点にまで発展を遂げた。
大陸各地の辺境地区にも繋がっており、閃士御用達の『アルジャヤ武器協会』本部もここにある。
大砂漠の中でもとりわけ大きなオアシスの恩恵を受け、同大陸内においては珍しいほど広い穀倉地帯を持つ。同時に、畜産、酪農、砂漠地帯の横断に使用する騎乗動物や運搬動物の飼育が盛んで、他都市に類を見ないほど多種多様な動物が、街中の景色に溶け込んでいる。砂漠地帯でしか育成できない珍しい騎乗動物もおり、陸生動物の飼育はシェハーダタにとっての有力な交易資源。
グリンホーン同様、物資運搬を目的とした機動生命体(輸送艦)用発着場が、オアシス側に整備されている。
魔都『スフィラストゥール』
世界一の高層建築、世界一の魔術師、世界一の閃士、世界一の騎士団を擁し、世界一危険な土地に座す大都市。西方大陸西部の山間から大陸中央の平野に掛けて扇状に広がった都市圏が特徴。
魔物が大量発生する魔の領域に居を構え、日々、魔物と戦い続ける定めを負った街。騎士団は規模、錬度共に他都市を圧倒するが、殉職者の数もまた世界一。それでも尚、各地からは騎士志望者が絶えず、騎士団規模が落ちることはない。
元はひっきりなしに来訪する魔物から西方大陸各地を護る為に作られた戦略砦。西方大陸随一とも言われる魔物の群れを食い止め、他の街を護るべく立ちはだかる誇り高き盾。
数多くの武術家を排出した『ナハリ武術館』もここに総本山を構えている。
他都市に比べても都市圏(衛星都市を含む)が広く、宇宙から見ても存在感があったためか、真っ先に侵略者の襲撃を受け、被害が最も大きかった。
スフィラストゥールの擁する守護塔『東の塔』は、同都市だけならず世界で最も高度のある建築物。一基のみで発生させることができる結界の出力も、本家のツァルベルを凌ぐ。一旦は襲撃の負荷に耐え切れず、内部装置の破裂を起こしたが、現在は既に復旧。つい先日、同型の新型守護塔『ふがしのとう』が誕生、ランドマークと実益を兼ねた『東の塔』と共に、スフィラストゥールの新しいシンボルとなっている。
最果ての都『碧京(へきけい)』
東の果てにある都市。
惑星東方にある大海原のほぼ中央に位置する。東方大陸の海岸線は殆どが険しい断崖で囲まれており、隔絶した文化圏になっている。東方大陸は六つの大陸中で最も小さく、碧京が各地の支配を一手に担っている。そのため、地方ごとの文化様式の差異が最も少なく、東方大陸内においては統一感が保たれている。
海に囲まれている為、海洋資源が豊か。起伏に富んだ地形のお陰で、水や緑も大変に豊富。一方で、狭い大陸である為、自然の過度な活用は早急な資源枯渇を招くとして、森林伐採や山岳採掘他、大きな地形改善に繋がる行為を厳しく制限。他都市や個人の商談窓口等も碧京が一元管理、競争によって生まれる過度な利益追求で自然破壊が起きないようにと、常に目を光らせている。
自然優先の気風が強い為、街並は他大陸の何処にも類を見ないほど独特。整地は最小限にとどめ、周囲の天然物の隙間を埋めるように建造物を作るのが常で、それが異国情緒を更に際立たせている。
産出量は少ないが、碧く輝く純度の高い魔鋼が採れ、これらを加工して作られた魔具や魔器は非常に人気が高い。採掘時の純度の高さは類稀で、産出量で上回る他の鉱脈を差し置いて、ダスランに並ぶ世界二大鉱脈の一つとされている。
辺境の街『メナス』
北方大陸の辺境にある街。
街としての見所は特になく、他の辺境地区ともなんら代わり映えもしないが、強力な魔物が付近の森に生息しているらしく、腕試しの魔物狩りが俄に押し寄せているというもっぱらの噂。
住人の不安を取り除く為、近く、街を挙げての本格的な討伐が行われるとの話もあるが……
来訪者滞在地
都市代表協議の結果に従い定められた、機動生命体と異星人の滞在用地。魔都スフィラストゥールから、徒歩一日程の距離。
元は未開地だが、現在は宿舎、酒場兼食堂、救護所、給水設備などが建造され、多少は街らしい雰囲気になっている。西側は高い山脈である為、機動生命体は開発されていない東側の荒野部に適当に停泊している。
食料などの物資は午前と午後の二回、定期便でスフィラストゥールから搬送される他、個人商人が別便で輸送や商売にやってくる事も。
『機動魔閃護撃士団(仮)』本部、『魔鋼研究所』など新設の組織が次々誕生。『MAX団』の溜まり場にもなっている。
惑星ティーリア-地域・地区
地域・地区 魔の領域
無尽蔵ともいえる規模で日々魔物が沸き続けている地域。
海岸線と山に囲まれた平地で、森と荒野がまだらに存在する。
魔物の変異のし易さから、ダスランを越える魔鋼鉱脈が存在しているのではないかと考えられているが、余りの魔物の多さに採掘作業や地質検査をされたことは一度もなかった。
つい最近に行われたテトテトラ(PC)、ダークネス(PC)による個人採掘の結果、高純度巨大魔鋼が多量産出、仮説が正しかった事が証明された。また、余りに多量・高純度の魔鋼の側に居ると、『魔力酔い』という今まで知られていなかった症状を発する事も判明した。
炎の谷
四六時中噴煙が上がり、マグマが噴出する巨大な渓谷。
大地が大きく裂けてマントルにまで達しているらしく、谷底には循環するマグマを直接望むことができる。
奈落の口
大海原に一筋走る、黒い海峡。まるで線を引いたようにそこだけが黒く沈んでいる。
恐らくは大きな海溝が存在していると思われるが、潮の流れが奇怪な上に異常な速さであるため、船舶を用いて海峡の上を跨ごうとすると瞬く間に黒い領域に吸い込まれ、越えることが出来ない。海洋由来の人外の徒であっても、一度流れに捕まれば抜け出すのは困難で、未だ海溝の奥がどうなっているか不明。
惑星ティーリアに存在する複雑で奇怪な潮と風の流れは、奈落の口の吸水力に由来するというのが、船乗らの間での通説。地図上で見れば直接いけそうな地域にも、グリンホーン経由でなければ辿り着けないのは、このせいであるといわれている。
惑星ティーリア-組織・団体
組織・団体 聖ジュディス教会
聖ジュディスを祖とする思想団体。
癒しの力を用いた奉仕の精神こそが魔術の至上であり、日々を豊かにする、といった教えを説いている。
大都市には必ず一つは拠点がある。
オルド・カーラ魔術院
魔術研究を一手に担う大規模研究組織。
都市部の学校なども殆どが魔術院の管轄。
本部は『機構都市ツァルベル』、他都市にも多数の支部がある。
アルジャヤ武器協会
各地に拠点を置く武器商人らの互助会。
相互支援による武器の品質向上や、在庫管理、迅速な対応などで魔物狩りならず庶民にも御用達。
本部は『砂漠商都シェハーダタ』。
ナハリ武術館
武術家の登竜門ともいわれる武術館。
精神の鍛錬に重きを置いた訓練法が特徴。
心の修行は武器を選ばないこともあり、門下生には武術家だけでなく騎士志望者や魔物狩りなども数多い。
元々の発祥地は碧京であるらしいが、現在の総本山は『魔都スフィラストゥール』。 創始者の戦没地であるとか、魔物対策に本部が移されたなどの説があるが、詳細は定かでない。
都市部であれば支部もよく見かける。
ロードナイツセブン
【ロード】こと沙魅仙(PC)を長とする、相互支援団体。
組織名は、発足当時の同志の人数が七名であったことに由来。 団体規模は小さいが、襲撃後から頭角を現し始めた、今一番の成長株。
構成員は『貴志(きし)』という固有の名称で呼ばれ、食糧支援から運搬補助、交渉代理人など、人々の役に立つことであれば何でもこなす。機動生命体への助力を取り付け、ダスラン〜ツァルベル間の魔鋼大規模輸送、ダスラン魔鋼の産出量向上など、世界の復興に大きく貢献した。
主な活動拠点は『始まりの街グリンホーン』、『山岳都市ダスラン』、次点で『魔都スフィラストゥール』。 他都市でも姿を見かけることがある。
機動魔閃護撃士団(仮) (きどうませんごげきしだん/かり)
アウィス・イグネア(PC)を創始者とする、惑星外脅威への対抗組織。 現在の最高責任者(仮)は、シャルロルテ=カリスト=アルヴァトロス(PC)。
発足当時は『パートナー仲介事務所』。未来に起こるであろう侵略者との対決に備え、機動生命体と人類(地上人・異星人)の参戦希望者情報を蓄積、パートナー発見を容易にし、ひいては戦力向上を目的としていた。
参加人数の増加、相互理解などを経て、運営主旨を現在のものへと変更。 機動生命体に搭乗しての模擬戦、団体戦闘訓練の開催など、より実践的な活動を展開している。
それに伴い、組織名を改定、現在のものが仮称として公表されるに至る。定着するか再度改定されるかは未定。
自薦・他薦問わず、優秀な指導者を積極的に募集・抜擢しており、組織参加者数は日増しに増えていると専らの噂。
本拠地は『来訪者滞在地』。
MAX団(まっくすだん)
スゥイ・ダーグ MAX(PC)の呼び掛けに応じて集まった、魔物狩り達の通称。
大多数が辺境出身の魔物狩り。騎士団に所属せず、独力独学で腕を磨いてきた癖の強い者や、柄の悪い者が多い。当初は周囲から『辺境戦隊あらくれーず』と呼ばれていた。
スゥイが訓練教官を務めている為、MAX団員も大多数が機動魔閃護撃士団(仮)所属。
大体は『来訪者滞在地』でたむろしている。
魔鋼研究所(ラボ)
シャルロルテ=カリスト=アルヴァトロス(PC)が自身の研究用に用意した施設。 魔鋼の解析・精製、史上初の人工艦『くり』の開発など、様々なことを行っている。
個人研究用だが、『おはなし装置』開発の際、魔術院に助言を頼んだ所、学術機関に存在が周知。 魔術院から出向した職人助手を始め、今後は提携希望者など更なる関与も予測される。
所在は『来訪者滞在地』。






異星人の惑星
概要 水と空気があり、動植物が多く住む星が主な住環境。
見え方や数は違うが、太陽があり植物があり、海があり海洋生物が居る。月に相当する衛星の有無は惑星ごとによる。
都市の発展度合いなどは惑星によって様々だが、どの惑星にも魔鋼のような特殊な物体は存在しておらず、文明の発展は段階的。
言語の多様さ、文化圏の数、脅威の有無などもまた様々。大抵は知能の高い一種族が文明の支配権を握っており、資源などを掌握している。
礎の民の惑星
礎の民

惑星
文化
石器時代から、蒸気機関が開発される直前ごろまでの文明の惑星。
建造物は石や木材を使用した平屋建てのものが殆どで、移動や輸送も人力や運河を利用した船舶輸送が主。船舶も帆船などの風や水の流れを利用したものか手漕ぎによる人力。陸上では大型動物を使役して動力とする事もある。
比較的発展した惑星であれば通貨となりうる貨幣が鋳造されている事もあるが、殆どは物々交換。
紙類は貴重品であり、庶民の間では石版がノート、石灰を固めたチョークが鉛筆の代わり。重要な案件の場合は石碑に文字を刻み込む形が取られる。
農耕、畜産、酪農などの第一次産業に関わる者達が殆ど。次点に製造業、兵士、建築業と続く。また、領地拡大のための戦が最盛期を迎えている惑星もあり、そういった所では金属製の白兵戦用武器の製造も盛ん。
娯楽は身体を使ったものが主流で、芝居や格闘技の観戦、遊泳や釣りなどが人気。
技術
医療技術は薬学による対処療法が殆ど。発展度の高い惑星では外科手術の走りが行われている事もある。
天文学に関しては優秀。暦は既にどの惑星でもおおよそ完成されており、観測台や暦を計る為の建造物などが良く見られる。
建築も発展につれ洗練されてゆき、石組みや木組みだけで作られた巨大建築が散見されるようになる。比例して芸術性も増し、建造物の造形そのものや内部の宝飾、壁画など、建築に多大な影響を与えている。
高温を発する炉の建造が難しいせいか、発展した惑星であっても鉄器については純度の低いものが大半を占める。一方で、銀や宝石を用いた細工、土器や陶器などの製造に関しては完成されているといって過言ではない。見栄えこそ古めかしいが、それはあくまでも道具の発展が追いついていないせいであり、工芸技術という面からみれば決して見劣りするものではない。
比較的発展した惑星の場合であれば、火薬も存在する。ただし、純度が低く発火性の高い危険な代物である為、管理ミスによる事故が絶えない。
機動生命体来訪時の主な反応
技術力は高いものの、自然を信仰と結び付ける風潮が強い。
そのため、大抵は機動生命体の来訪を世界の終わりや神の降臨と勘違いし大騒ぎになる。
但し、祈られたり崇められたりはするが攻撃行動を取られることは余り無く、攻撃されても基本的に地上からは届かない。数人と手早く精神波交信を行うと、混乱が広がらないうちに撤収を試みるのが通例。
だがその後、惑星内に新興宗教が出来たり、精神波交信をした人物が神に選ばれし者として特別待遇される確率がかなり高い。
巧錬の民の惑星
巧錬の民

惑星
文化
産業革命以降、宇宙進出を目前に控える程度まで発展した文明の惑星。
石炭、石油などの化石燃料が主なエネルギー源で、発展が進んだ惑星ほど電気に依存した生活を送っている。
移動や運搬の手段も多様化、自転車などの人力のものから、自動車、機関車・電車、船舶、航空機と、惑星の発展が進むに連れ動力を備えた大型の乗り物による長距離移動が可能となってゆく。交通の整備も進み、都市から都市への物流も盛ん。
農耕、畜産等の第一次産業は効率化により従事する人数は減少。惑星の発展度が進むに連れ、業務の主体は製造業、技術職へと変化。知的労働に従事する者の数も増えていく。経営手段も個人事業主によるものから会社組織化が進み、巨大企業が続々と誕生していく。
細やかなルールを制定したスポーツ競技が数多く生まれ、発展度によっては身体を使わない盤上競技や、専用の機器を使用した遊びが人気を博しつつある。
領地拡大を巡る紛争は人口の増加等に伴いほぼ収束。発展度に比例して国家間の争いの殆どは国際的地位などの利益を主眼に置いたものへと移り変わっていく。
武装も刃物を使った直接的なものから、鉄器や火薬を用いた飛び道具へ変化、それに伴って殺傷力も大幅に強化されてゆく。戦いでは個人能力よりも武装の威力と情報戦がものを言う。
電気・電信によるメディアの発達で情報の伝達速度も発展度に伴い加速度的に上昇。記録媒体も紙から電子機器へと移行してゆき、小型化・軽量化が進むこととなる。
貨幣は各国家ごとに制定した硬貨と紙幣が流通。為替レートが制定され、株取引や先物取引などで生計を立てる者もいる。
技術
化学技術の進歩によって、人工的な薬品が生まれ、かつての不治の病は早期治療によって延命が可能になりつつある。惑星の発展が進むに連れ様々な機器の導入が進み、様々な診療科が設立、専門医師による専門的治療を行う形式に変わってゆく。
溶鉱炉の高温・高密度化の実現によって、金属の鋳造技術・合金製造技術も飛躍的に進歩。強度の高い鉄骨を用いた構造物の建造が可能になり、都市部には超高層建築や人口密度に対応した集合住宅などが見られるようになる。
火薬などの炸裂物もまた精製と配合による安全性と威力の向上が実現され、個人武装用の銃などは小型化が進む。一方で強度の高い建築技術の応用で大規模戦闘用の大型の武装も製造が可能となった。
採掘用の大型器具の開発、研磨技術や製作技術を補助する機器の開発が進んだことで、より美しい工芸品が多数生まれている。逆に、製作の容易さから贋作が多く生み出される原因にも。
動力が蒸気機関から電気に変わる頃合には、電波等を用いた通信技術が一気に発達。家事などの雑用を代行する機器、電話等の通信機器などが庶民にも普及する。更に発展が進むとインターネットなどの通信網が整備され、多量の情報を簡単に扱える情報端末が登場する。
非常に発展度の高い惑星では核エネルギーや、光・風・地熱等を用いた自然エネルギーの研究も盛んで、所によっては試験的に実用化されている。また、そういった発展度の高い惑星では、宇宙進出の前段階である探査機による惑星探索なども行われている。
機動生命体来訪時の主な反応
礎の民の惑星ほどではないが、信心深い者が多い惑星では機動生命体の来訪によって宗教が爆誕する事もある。
発展度の高い惑星であれば、代表となる国家が対話を試みようとする場合がある。
しかしながら、精神波による交信はコアへの収容が必須である上、未収容状態では意思疎通が全く成り立たないため、惑星住人側が無断での強制拉致と判断し攻撃行動を取る確率が非常に高い。姿を見せただけで侵略行為として迎撃行動を取る好戦的な惑星もある。
そういった場合は収容者を解放し速やかに惑星から撤退するが、収容者の証言が行き渡るのは大抵が撤退完了後であるため、誤解が解ける頃には再接触不能といった状況になるのが殆ど。
天上の民の惑星
天上の民

惑星
文化
本格的宇宙進出を果たし、外惑星への渡航も一部可能な文明を持つ惑星。
本土である惑星の他に、入植を果たした別の惑星を持っていたり、人工的に作られた宇宙ステーションを居住用衛星として従えているものもある。
宇宙放射線の変換や、核の完全な掌握による高出力で無尽蔵なエネルギーを利用。殆どの場合に措いて電力からの脱却は実現できていないが、惑星によっては全く異なる力を電気のように利用している場合もある。
惑星・人口居住衛星内の移動手段は自転車、自動車、電車、船舶、航空機といった旧来のものが殆どだが、『車輪』が存在せず全ての乗り物が浮遊移動する。惑星間の移動はもっぱら専用の宇宙船が使用されるが、『移動に時間の掛かる航空機』程度の認識で利用されている。
食料などの生産は最早管理者が管轄するだけという状態にまで簡略化、製造業も同様に殆どが管理者のみで運営されている。就業者の多くは情報管理や研究などの頭脳労働、教員など教育関係者、その他娯楽を提供する芸能職。軍人などが戦場で活躍することは減少の傾向にあるが、災害有事における市民救助部隊として、対人から対災害に活動の場を移しつつある。
社会の組織化と情報化は一層進み、記録媒体の閲覧も記録も操作も極薄い液晶フィルム一枚で足りる、と言った状態にまで進みつつある。貨幣もまた大半が情報化され、実際に紙幣や硬貨を持ち歩くことはまずない。
遺伝子認証が基本となり、雑用を担う補助機械や流通機関も充実している為、重い荷物を持って歩く必要がない。機能性や使い易さよりもデザインを重視した宝飾や家電の需要が高まり、鞄ですら宝飾品の意味合いしか持たなくなりつつある。その一方で、レトロブームのようなものも定期的に発生し、あえて宇宙進出前のような生活様式を好む層も一定数居る。
技術
臓器複製技術やナノマシンによる自動修復により、医療行為はかなり簡略化されつつある。比例して一人辺りの寿命が延び老化も穏やかになりつつあるため、人口は余り増えていない。
コールドスリープなどの肉体時間停止技術もあり、遠方宇宙への渡航の際にはしばしば利用される。惑星によってはワームホールの実現、或いは、ワームホール通過に耐え得る宇宙船の建造技術を持つ場合もあるが、ワープ航法所有の文明はどちらかといえば少数派。
発展度が特に高い惑星では、原子核単位の操作技術も確立されており、それらを利用した超重金属の精製なども行われている。
重力を軽減する機構の開発に成功したため、主な乗り物には大抵この機構が組み込まれている。建築などにもこの重力軽減構造が導入され、建造物は構造的強度の探求よりも素材の強化に重きが置かれつつある。
何よりも顕著なのは情報化技術。音声認識、思考認識などの精度は惑星の発展度と共に増し、それらを組み合わせることで機器の殆どを直感的に動かすことが可能になる。知識教育水準が高いため、庶民であっても複雑な機器の構造をおおよそで理解してはいるが、いざ手動でとなると不慣れな為にまごついて上手く扱えないことが殆ど。
宇宙放射線など普遍的に存在するエネルギーを自分達が使うエネルギーの形に変換する技術の躍進が目覚しく、あとは如何に変換率の向上と効率化を極限まで高められるかが課題となっている。
機動生命体来訪時の主な反応
流石に宗教が起きる事は滅多にない。
対話を試みようとする点と、収容行為に際しての反応はおおよそ巧錬の民と同じだが、天上の民の方がより慎重な態度で対応してくることが多い。その為、他文明度の惑星に比べると意思疎通と誤解の解消の可能性が高く、数日〜数週間ほどの滞在期間を得ることもある。
一方で、来訪当初から、または、意思疎通が可能だと判ってからも、学術的興味から機動生命体の『捕獲』を試みるなど不躾な態度を取ることもままあり、そういった場合も機動生命体側は迎撃行為と判断して撤退行動を取る。
撤退後も調査や交流目的で機動生命体の追跡を行う事があるが、機動生命体の機動力と巡航能力に太刀打ちできず、結果的に追跡を諦めるのが殆ど。






機動生命体母星
概要 蒼白く光る巨大な恒星の傍にある水も草木もない荒廃した惑星が、機動生命体の母星。
母星の周囲にある惑星や恒星を含んだ銀河の一部を支配し、勢力圏を日々拡大している。
機動生命体の誕生には母星ではなく、それ専用に改造された惑星が使用され、製造プラントの様相を呈している。
母星には機動生命体を支配する『寄星体』と呼ばれるものがおり、それを頂点として統率が取られている。
機動生命体母星-社会
社会 『寄星体』
母星と周囲勢力圏の支配者であり、機動生命体の主。
多くの機動生命体は誕生から廃棄までの間に寄星体と直接接することは無い。それゆえ、寄星体がどのような姿をしているのかを知らない。
活動
具体的理由は定かではないが、機動生命体はしばしば他銀河に侵略可能な惑星が無いか探査に出かけ、生命体を発見すると有無を言わさずに侵略行為を開始する。生まれながらに刷り込まれている命令が機動生命体にとっての全てである為、忠実かつ機械的に任務を遂行する。
惑星ティーリアに対しての侵略行動も、機動生命体にとってはこういった活動の一環でしかない。
階級
勢力圏を見ても文明らしきものはなく、寄星体を主とした階級制度が形成されているのみ。それは、蜂や蟻の社会を彷彿とする。
寄星体を頂点として、母星勢力圏の惑星や恒星防衛の責任者に当たる者が上位に位置し、内部防衛、外部迎撃隊、斥候の順に続く。また、弱いものほど小さくひ弱。その分数が尋常でないのが特徴。生産作業を担当する者も階級では下層に位置する。
機能不全に陥ったものはあっさりと廃棄処分され、それを咎める者も疑問に思う者も無い。
種別
階級とは別に、機体そのものの種別として『艦種』『艇(てい)種』『塞(さい)種』『据(きょ)種』に分かれている。
無敵装甲を持つ大型種、いわゆる、ゲームなどにおける『ボス』に相当するのが『艦種』。
通常の金属装甲を持つ小型種は、『艇種』と呼ばれ、最大でも25m未満と、艦種最小の工作艦を更に下回る。
『据種』は、装甲や大きさは艇種とさほど変わらないが、車輪がついていたり、多脚式であったり、壁面据付式であるなど、重力・建造物のある場所での活動に適している。主に母星圏の惑星内部で活動する存在で、外部へ侵攻することは余りない。
『塞種』は据種など、陸上活動系種別の『ボス』に相当する。艦種同様、場合によってはそれ以上に巨大だが、防衛を担当する惑星そのものに設置され、自律移動できない場合が殆ど。意志を持った建造物と言って過言ではない存在。
機動生命体全体としては、『移動砲台』と呼ばれる据種、『戦闘艇』と呼ばれる艇種が多数を占め、上位階級からの指示に従い、惑星防衛や迎撃に勤しんでいる。
機動生命体-離反勢力
離反勢力 母星からの離反
ふとした事で芽生えた疑問の答えを探し、侵略行為をやめ母星勢力から離反する個体が現れ始める。
毎日数百とも数千とも知れず生み出される中の数体という規模であり、まさに一握り。
最初の離反者が生まれて後も、極稀にそういった者が発生、先達との合流を目指して旅立つ行為が散見される。だが、旅立ち適わず撃墜・廃棄の目に遭う者も少なくはない。
特定の惑星系製造プラントから発生する率が高いらしく、プラントの廃棄が検討されているとかいないとか。
放浪団
離反した機動生命体が寄り集まって出来た集団。
離反者同士が精神感応で呼びかけ合って互いに位置確認、自然に集団を形成したもの。 艦種や形状もさること、離反の時期が個体ごとにばらばらである為、年齢も様々。同型で世代違いという場合もある。
精神感応を用いれば、距離に関わらず母星圏の情報を入手する事も出来るが、逆に居所を探られ刺客を送り込まれる確率も増加してしまう為、母星圏との精神感応は完全遮断するのが放浪団内での暗黙の了解(最善の索敵回避行動として各自が同じ結論に達する)。
現段階では、無敵装甲を持つ大型機動生命体である『艦種』しか所属が確認されていない。
刺客の派遣
離反勢力の討伐の為に、追跡と掃討の任を負った個体が、しばしば放浪中の機動生命体の元に差し向けられる。
惑星侵略に比べて然程重要視されていないのか毎度規模は小さく、今の所は離反勢力側が連勝を重ねている。